【ER(エンジニアリングレポート)】
- 各検査工程で、事前の社内検査が実施されている様子は見受けられなかった。
- 一部の検査項目で、現場側から言われた希望日に検査に行ったが、現場側の不手際により、現場工程が進み過ぎていた為、確認できる範囲が殆どなかった。最終的に、確認出来る状況に戻したうえで、お客様が現地確認した経緯がある。
- 指摘事項の是正は、一部催促など発生したが、最終的に問題なく対応された。
基礎配筋検査レポート
重大な指摘はなく、本検査では「かぶり厚さ不足」「多重結束」などが存在し、その場で是正方法など、現場担当者に指示。
後日、写真が提出され、問題なく是正完了した事を確認した。
写真、スラブ筋のかぶり厚さ不足。
アンカー検査レポート
本工程では立ち上がり型枠が設置されているため、立ち上がり部の鉄筋施工状況および打ち継ぎ面の状態を中心に確認を行った。
検査の結果、型枠に塗布されていた剥離剤が前日の降雨により流出し、コンクリートの打ち継ぎ面に油分が浮いている状況が確認された。
このような状態のままコンクリートを打設すると、打ち継ぎ部の付着不良を引き起こす可能性がある。
当該箇所については、高圧洗浄による清掃・除去を指示し、打設前に適切な状態へ是正されたことを確認した。
基礎における打ち継ぎ部は構造的にも重要なポイントであり、施工前の下地処理の適否が品質を大きく左右するため、確実な確認が求められる工程である。
下記、型枠組み後の全景写真
コンクリート打ち継ぎ面に油分が浮いている状況
基礎完成検査レポート
基礎の仕上がり状況に大きな問題はなかった。
本検査では軽微な「天端レベラーの浮き」を確認した。
レベラーは基礎立ち上がり天端(上面)を水平かつ平滑にする事が目的である為
構造的な役割はないが、「浮き」=「接着不良」、最終的にレベラー材が割れるリスク
がある。割れれば、水平精度が狂ったり、基礎天端と土台に隙間生じて水や虫が侵入
する恐れも想定される。
写真のテープが貼ってある範囲の浮きを確認した。
「浮き」は目視確認では判断が出来ない為、「打診棒」という道具を使用して「音」
によって判断する必要がある。
構造検査レポート
本検査では、「耐力面材の釘打ち漏れ」「構造金物の締め漏れ」などを確認した。
事前に社内検査を実施している様子は見受けられず、職人任せの印象が強い。
また、アイ工務店が手配する「住宅瑕疵担保責任保険法人(第三者)」による
検査も実施されているが、同じ第三者であっても、当センターと検査内容が大き
く異なるため、(当センターの場合、わかりやすく言えば、施工の良し悪しの確認)
瑕疵保険法人では、下記のような施工不良は確認していない。
各所、羽子板ボルトの締め漏れ
下記、ねじ山が出ていないので締め込み漏れが一目瞭然。
防水・断熱検査レポート
今回、外部の防水検査と内部の断熱検査が同日実施できるタイミングであったので
2検査同日実施した。
外部の防水施工状況に大きな問題はなかった。建物内部の断熱仕様は下記の通り。
屋根と外気に接する床:「吹付硬質ウレタンフォームA種3」厚300ミリ
壁:「吹付硬質ウレタンフォームA種3」厚100ミリ
なお、今回検査対象外だが、外断熱:「高性能フェノールフォーム厚45ミリ」仕様。
検査当日、壁の石膏ボード貼りが進んでいた為、壁断熱は目視確認できる範囲が殆ど
なく、屋根断熱・外気に接する床断熱・壁断熱の一部を確認した。
写真は外気に接する床(2階バルコニー下の天井断熱)の断熱施工状況だが断熱が
入っていない部分が散見された。
後日提出された是正写真を確認し、問題なく是正完了した事を確認した。
内部造作完了検査レポート
木工事完了後(クロス工事前)の検査を実施。
このタイミングで、電気業者が照明やコンセントを付ける箇所のボード開口を
施工する事が多く、施工完了していれば、施工状況は目視確認を併せて実施が可能。
今回は施工完了済だった為、確認した結果、ダウンライト照明を設置する箇所と
天井下地(軽量鉄骨下地)が干渉していた。
電気業者が天井石膏ボードを開口した際に、天井下地を切り欠きされていた。
下地材の強度が不足している為、補強したうえで、照明位置の変更等を事前にお客様
に確認する必要がある。
本来、施工した電気業者は把握している事だが、現場側にも報告をしていない為
検査が入らなければ、今までの指摘事項同様に、そのまま工事が進んでいた可能性が
高いと言える。
下記、近景写真
下地が切り欠かれているのが明らかである。
次の写真は、壁の石膏ボードが割れている状況。
当然に施工をした人間は把握しているであろう。また、現場担当者が巡回した際に
事前に気づき、是正すべき内容であるが、誰も把握していなかった。
竣工検査レポート
建物完成時では、外部は通常歩行による目視確認が主である。
下記の写真は、基礎を貫通して配管が施工されているが、配管まわりに隙間が生じて
いる為、このままでは、雨水などが侵入してしまう。
当該部位は、たまたま土が少なく目視確認できたが、目視できない土で隠れている部
分についても改めて確認し、同様の部位があれば、隙間を埋める処理をするよう指示
をした。
下記の写真は、外部設備を外壁に留め付けている状況。
外壁材に直接ビス留めするのは一般的な施工方法であるが、ビス穴への止水処理が未
施工の為、雨水等がビス穴の隙間から侵入するリスクがある。
全てのビス穴に止水処理をするよう指示をした。
アイ工務店では、他現場でも同様の指摘が散見された為、殆ど現場では同様の施工が
されている可能性が高いと言える。
ガスメーカーの留め付けビス(止水処理未施工)
縦樋固定用のデンデンへのビス(止水処理未施工)
【まとめ】
アイ工務店の業績は、ハウスメーカーの中でも急上昇しているのは事実です。
しかしながら、急激に上昇している事が、「安心」に直結するとは言えません。
※アイ工務店 HPから引用
業績が好調なのは悪い事ではありませんが、「品質面」では一抹の不安を覚えます。
ここ最近インスペクション介入をさせて頂いているアイ工務店の現場では
現場担当者の社歴は2~3年目、大工は1棟目や2棟目という方が殆どでした。
社員の社歴も浅く、職人もはじめてに近いという組み合わせの中で、現場担当者と
職人の関係性(特に信頼性)出来上がっていない。また、アイ工務店の仕様も完全に
把握しきれていない状態で家づくりをしていますから、今回のような施工不備があっ
ても、そのままスルーして建物が完成してしまう確率が高いのではないでしょうか。
限られた回数にはなりますが、重要な工程で第三者インスペクションを入れる事で
失敗しない家づくりにつながると思います。
【W様邸基本情報】
| 建設地 |
神奈川県 |
| 工法 |
木造在来軸組工法 |
| 延べ面積 |
120㎡~150㎡ |
| 階層 |
2階 |
| 契約時見積 |
該当データなし |
| 最終見積 |
該当データなし |