積水ハウスの施工体制は、ハウス監督と積和監督(代理人)に分かれていると言ってよい。ハウスの監督は、監理業務に特化している為、他ハウスメーカーと比較しても事務作業や手配はスムーズに思う。現場の管理については積和建設の担当者が行っていくという区分が明確なのが特徴だ。
鉄筋は「プレ鉄筋」や「溶接鉄筋」と呼ばれるもので、工場で決められた寸法で事前加工され現場搬入される。型式認定や評定を取得しているハウスメーカーの現場では、ほとんどがこの方式である。
上棟検査レポート
構造体が鉄骨の積水ハウス、ボルトの締め込み状況を目視確認していく。写真は柱の下側(柱脚:ちゅうきゃく)、アンカーボルトの確認である。
鉄骨系の指摘で多いのは、鉄骨傷の未補修が挙げられるだろう。
補修塗料は見た目以外にも「錆止め」という重要な役割を持つため、忘れや施工不良はきちんと潰しておきたい項目の一つである。
外壁は認定品(積水ハウスオリジナルの建材)、シェルテックコンクリート。耐火建築物の場合には、耐火性能上この外壁材となる。
防水検査レポート
屋上の防水はシート防水を採用している。鉄骨躯体は揺れやすいので、躯体挙動を鑑みるとシート防水が適していると言える。シートと躯体は絶縁することが大事だ。
屋上の点検も兼ねてトップライトを計画したのが写真でも見てわかるが、立上げ寸法が少なく、ゲリラ豪雨などへの配慮不足が否めない。
サッシ周りのシーリングも施工状況は良好であった。指摘としては、次の写真のように、後打ちビスの止水シーリング忘れなどが挙がった。
軽微な内容は、極力その場で是正をするように検査を進めている。
断熱検査レポート
充填工法である天井の断熱材は、どの現場でも残念ながら指摘が多い。
また壁内への湿気流入を防ぐ、防湿シートの破損も指摘の多い項目である。
これらの指摘はすべて、気密テープを貼るように是正指示を出した。
内部造作完了検査レポート
石膏ボードの施工状況を主に確認する検査である。
内部造作完了検査は丁寧に施工され、大きな指摘はない。躯体精度が良いと後工程も狂いが少なく、反対に躯体精度が悪いと「どこかで帳尻を合わせる」必要が出てくるので、必ずと言っていいほど大工にしわ寄せがくる。