住友不動産の現場調査

東京都 K様邸

調査日:2022年5月27日

【エンジニアリングレポート】

調査結果まとめ

  • 是正報告は問題なし。
  • 狭小地により作業が困難であった。
  • 終盤は現場段取りが悪く検査依頼のタイミングにミスが生じていた。
  • 上記により、工事終盤での工程進捗がやや遅れていた。
住友不動産 東京都K様邸の現場調査レポートです。狭小地のため施工が難しい現場でした。そのため、足場の設置や資材の搬入・廃材置き場等に苦労したようです。
 
仕上げ工事に近づき、特に木工事では資材等の置き場が無く、部屋の一つを材料置き場にする等、工事の進捗に影響がでていました。内部造作完了検査時は、1階スペースは作業場と資材及び廃材置き場となっていた為、1階の検査は当日実施出来ず、再検査となりました。
 

基礎配筋検査レポート

大きな問題はなく施工良好であった。
写真は建物配置確認実施の様子。敷地境界杭が万年塀の上にあった為、高低差がある。計測は、水平器等を使用して正しい配置寸法(境界から建物基準点の位置)かどうかの確認が必要。
 
写真は、鉄筋が集中してしまい、鉄筋と鉄筋の距離が近い為、コンクリートが充填されない指摘。どのメーカーでも指摘が多い項目である。
 

基礎完成検査レポート

コンクリートの仕上がり状況は良好。現場清掃も含めて指摘は少なかった。
 
打診棒を使用して天端レベラーの施工状況を確認した。
数ヶ所でレベラーの浮き(基礎コンクリートとレベラー材の接着不良による)を確認。
躯体が載ってしまうと手直しが出来なくなる為、このタイミングで浮いている範囲を剥がしてレベラーを再施工するよう指示を出す。
 

上棟検査レポート

レーザー機器を使用して柱の垂直精度や床の水平精度を確認。

枠組壁工法は外壁面材の釘打ちは重要管理項目である。釘施工にはいくつかの指摘が散見された。写真は合板の節に釘が打ち込まれている。節部は強度、厚みが無い為、節を避けた個所に釘を増し打ちするよう指示。細かいようだが、配慮してもらいたい箇所である。
次の写真は外壁面材の釘が下地から外れて打たれている。外からでは判断が難しい為、室内からも釘施工は確認が必要である。
 

防水検査レポート

バルコニーの掃き出しサッシ下端のフィンに固定用のビスが打たれているが、バルコニー立上りの防水を貫通している為、ビス頭は止水処理が必要。ビス部から雨水が侵入して雨漏れの原因となる。
 

断熱検査レポート

斜線天井面はネオマフォーム仕様。突きつけが甘いと下地材と断熱材の間に隙間が生じやすい為、写真のように隙間部分にウレタンフォームを充填している。当センターの検査時には既に処理がされており、社内検査をしたことがうかがえる。
 

内部造作完了検査レポート

狭小地でごみが多く出るタイミング。資材や廃材置き場のスペースがない環境で、産廃回収の段取りが悪いと次の写真の状態になってしまう。
室内も外部同様で、現場全体が乱雑な状態であった。当日は1階の検査が出来ず、別日に再検査となった。現場監督が現場に来ず、職人に任せっぱなしでいたのでは?という印象。

施工自体も指摘が多数あり、次の写真は石膏ボードの釘打ち忘れ。
乱雑な現場はいいことがないという典型的な例。きれいであれば品質がいいとは限らないが、逆は真理である。素人目から見ても「現場が汚い」と感じた場合には要注意だろう。
 

【K様邸基本情報】

建設地 東京都
工法 枠組壁工法(木造・ツーバイフォー)
延べ面積 170.09㎡
階層 3階
契約時見積 5800~6200万円
最終見積 6800~7200万円

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