【エンジニアリングレポート】
調査結果まとめ
- 全般的には、大きな問題はなかった
- 検査依頼や是正報告も問題なし
ウィザースホーム、千葉県N様邸の現場調査レポートです。敷地はゆとりがあり施工条件は良く、冬季の雨天が少ない時期という事もあり、工事期間中は天候にも恵まれ大きなトラブルもなく順調に進んでいた印象です。
千葉を中心に施工しているビルダーだけあって、東京や神奈川エリアと比べると職人のモラルやスキルは高いようですが、良くある指摘項目は散見されました。
基礎配筋検査レポート
写真は、鉄筋と鉄筋の距離が近い為、コンクリートが充填されない指摘。他のメーカー同様に、基本的な内容だが、おろそかにする事が多く、この現場でも数か所の指摘があがった。
基礎配筋検査2(アンカー)検査レポート
基礎立上りのふかし部分では、鉄筋量が少ない(無筋の範囲が広い)ため、このままコンクリートを打ち込むと、近い将来ひび割れ(クラック)が発生。クラックから浸水して、鉄筋が錆びてしまい、基礎の耐久性に直結してしまう恐れがある。現場では、緑色のテープの範囲に鉄筋で追加補強するよう指示している。
基礎完成検査レポート
コンクリートの仕上がり状況は良好。現場清掃も含めて指摘はなかった。
写真は、打診棒を使用して、天端レベラーの施工状況(浮きの有無)を確認している。
上棟検査レポート
天候の影響もなく、含水率も問題なかったが、基本的な内容の指摘がいくつか散見された。
野地板(屋根の下地材)を留め付ける釘が下地材から外れて打ちこまれている。このタイミングでは、屋根の防水(ルーフィング)が施工されている為、一度剥がして釘を打ち直す作業が必要となる。いわゆる「手戻り」工事だが、職人の自主検査が甘い証拠だろう。
ホールダウン金物の締め忘れを数ヶ所確認した。耐震性に大きく関わる構造金物だけに、このような施工漏れは根絶する必要がある。
防水検査レポート
防水紙同士の重ね幅は、横方向は150㎜以上必要だが、規定の寸法が取れていない。雨漏れの危険性が上がる重大指摘だ。
断熱検査レポート
天井は吹き込みグラスウール、壁は発砲ウレタン吹付け、屋根面(勾配天井)及び小屋裏天井と床下はネオマフォーム仕様であった。3つの異なる工法である断熱材の仕様は現場監督が備えなければいけない知識も幅広く要求される。
小屋裏天井はネオマフォームだが、突きつけが甘いと次の写真のように温度変化(断熱材の隙間)が見て取れる。
隙間部分から、外の熱(赤色部分)が室内に漏れているのがわかる。
外装完了検査レポート
足場解体前の外部竣工検査。大きな指摘もなく全体的に良好であった。
軒天材を受ける金物のジョイント部材が固定不十分で外れていた。高所は足場が外されてしまってからでは、目視確認が出来ない為、このタイミングでないと確認出来ない事が多い。
内部造作完了検査レポート
内部造作完了検査、つまり大工工事が完了した段階の確認。次の写真は、壁点検口が曲がって取付けられていました。仕上げ工事に近づき工事進捗を急いでいる印象は否めない。
次の写真は、石膏ボードのビス施工不良。ビスが石膏ボードの端部に打ち込まれている個所が多数散見された。ビスは端部から10㎜程度離して打込む事が望ましい。
竣工検査レポート
全体的に仕上げ状況は良好であった。
玄関収納扉の建付け不良(左右の高さが違う)があった。仕上げ品質の意識がもう一歩足りていない印象である。
【N様邸基本情報】
建設地 |
千葉県 |
工法 |
枠組壁工法(木造・ツーバイシックス) |
延べ面積 |
80〜95㎡ |
階層 |
平屋 |
契約時見積 |
1800~2200万円 |
最終見積 |
2300~2800万円 |