三井ホームの現場調査

千葉県 N様邸

調査日:2021年12月20日

【エンジニアリングレポート】

調査結果まとめ

  • 全般的には、大きな問題はなかった
  • 検査依頼や是正報告も問題なし
  • ツーバイ工法で挙がりやすい指摘事項で躯体垂直精度不適、断熱欠損、石膏ボード不陸などが目立った。
三井ホーム、千葉県N様邸の現場調査レポートです。
 
現場では、ダメ工事が発生する原因として、「ジョイント」部分が挙げられます。ジョイントとは「部材と部材の継ぎ目」など物理的なジョイント以外にも、「人と人」にも注意が必要です。例えば断熱工事では大工が断熱材を充填しますが、その後で設備業者(電気や水道など)が配線や配管周りを施工します。こういった際の作業(断熱材をめくったり、切ったりする箇所)は隙間欠損などが発生しやすいので注意が必要です。
 

基礎配筋検査レポート

基礎配筋検査では、まず建物配置から確認をする。特に狭小地では数センチが命取りになることもある為、重要な確認事項である。設計図通りとなっており問題ないことを確認。
 
配筋事態での指摘がいくつか散見された。写真はそのうちの二つを事例として紹介する。一枚目はかぶり厚さ不足の指摘。写真のように鉄筋を曲げ加工する箇所について、その下側のかぶり厚さは特に要注意である。
もう一つ、こちらも代表的な指摘だが「多重結束」と呼ばれる、鉄筋を複数本まとめて結束している状態。
コンクリートと鉄筋をきちんと付着させないと、想定している耐力が期待できない為、是正が必要である。
 

基礎完成検査レポート

コンクリートの仕上がり状況は良好。現場清掃も含めて指摘はほとんどなかったが、設備配管で気になる個所が・・
青い配管は給水、ピンクは給湯の配管だが、養生テープが外れてしまっている。口にするものを運ぶ配管であるから、配慮不足といえるだろう。中の洗浄を実施するか配管を交換してからしっかりとした養生をするように指示を出した。
 

上棟検査レポート

上棟検査では構造躯体の施工を確認するが、検査項目の事例として、写真のようなレーザーでの垂直精度確認を紹介する。機器が発する垂直レーザーとずれている場合には「傾いている(曲がっている)」ということが一目でわかる。
垂直精度に関しては、指摘が挙がった。次の写真を見て頂ければお分かりになるが、レーザーラインの上下相違が確認できる。


2m程度で7mmほどの差異が確認できたため、やり直しを指示した。バルコニーでは、FRP防水が施工済であった。FRP防水とはガラスマットを使用するが、そのマットがきちんと壁に密着しておらずに、隙間が目視確認できる。
この上からフェルトという防水紙をかぶせる為、防水性能は問題ないという監督もいるが、見過ごせない内容である。
 

防水検査レポート

木造住宅の品質維持で最重要である防水検査を実施。外壁はフェルトを採用している。重ね幅の確認から実施するが、規定寸法は90mm以上の重ね幅が必要だ。フェルトの上下に100mm(10cm)のラインが印刷されており、下の紙のラインが見えなくなっていれば90mm以上重なっているのが目視で確認できるようになっている。
施工状況は大変良好で、指摘はなく検査が完了した。
 

断熱検査レポート

断熱材の荷姿を確認。三井ホームではニチアス社のホームマットが壁断熱材の標準だ。
ツーバイは筋かいが無いので、充填系のロックウールは充填しやすいというメリットがある。
一方で、デメリットとして、端部の充填不良が多いことが挙げられる。特に電気業者や水道業者など、断熱施工をしない業者がめくったりする箇所は要注意であろう。この現場も例にもれず・・といった状況であった。
 

内部造作完了検査レポート

木工事完了時点での「内部造作完了検査」を実施した様子をレヴューする。
ここでは最終的な壁の垂直精度などを確認するが、実際にはこの段階で是正になると大きな手直しになってしまうため、正直「遅すぎる」。ゆえに上棟検査時での躯体精度確認は必須であろう。
ツーバイ工法で指摘に挙がりやすいのが、壁段差や通りが悪い(壁が曲がっている)事である。これは様々な理由があるので技術的な説明は割愛するが、内部造作時点での確認は必須といえよう。
 

【N様邸基本情報】

建設地 千葉県
工法 枠組壁工法(ツーバイシックス)
延べ面積 128.55㎡
階層 2階
契約時見積 税込4300万円(外構含む)
最終見積 税込4800万円(外構含む)

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