【ER(エンジニアリングレポート)】
- 各工程において重大な施工不良は確認されず、全体として施工品質は概ね良好であった。
- 一方で、基礎配筋や屋根構造、防水施工において、施工手順や基本事項に関わる軽微な指摘が確認された。
- いずれも是正は容易な内容であったが、施工時の確認不足に起因するものであり、第三者検査による早期発見・是正の有効性が確認できる内容であった。
基礎配筋検査レポート
本検査はコンクリート打設前の配筋段階で実施した。
配筋状況について図面との整合性および施工状況の確認を行ったところ、一部に鉄筋の組み方の不適合が確認された。
具体的には、鉄筋が3本重ねとなり多重結束されている箇所があり、この状態ではコンクリートが鉄筋周囲に十分に回り込まず、付着性能の低下を招く可能性がある。
当該箇所については鉄筋の組み直しを指示し、コンクリートとの付着が確保できる状態へ是正を実施した。
基礎は建物全体を支える重要な構造体であるため、打設前段階での確認の重要性が改めて確認された。
構造検査レポート
本検査は上棟後の構造段階で実施した。
木造枠組壁工法において重要となる接合部および屋根構造の施工状況を中心に確認を行った。
検査の結果、屋根垂木に設置される「あおり止め金物」において、釘打ちが未施工となっている箇所が確認されたため、その場で是正指示を行い施工完了を確認した。
あおり止め金物は強風時に屋根の浮き上がりを抑制する役割を持つ重要な部材であり、近年の台風被害の事例からも確実な施工が求められる。
単純な施工漏れではあるものの、見落とされると性能に影響するため注意が必要なポイントである。
防水検査レポート
本検査では外壁防水施工の状況を中心に確認を行った。
防水紙の施工状況および貫通部処理について確認したところ、外壁貫通部において防水紙の縦ジョイントが重なるおさまりとなっている箇所が確認された。
防水紙は水の流れを考慮した施工を基本とするため、縦ジョイントが貫通部と重なる場合は雨水浸入リスクが高まる可能性がある。
当該箇所については防水テープによる補強処理を指示し、是正完了を確認した。
防水は施工手順とおさまりの理解が重要であり、細部の処理が品質を左右する工程である。
【まとめ】
本物件は各工程において第三者検査を実施しながら工事が進められた事例である。
重大な不具合は確認されなかったものの、配筋の組み方、金物の釘打ち、防水おさまりといった「基本的な施工事項」に関する指摘が確認された。
これらはいずれも施工時の確認を徹底することで未然に防げる内容である。
一方で、いずれの指摘も早期段階で是正されており、工程ごとに適切な修正を行いながら品質を確保できた点は評価できる。
第三者検査を活用することで、見落としやすいポイントを確実に拾い上げ、結果として建物全体の品質向上につながった事例である。
【F様邸基本情報】
| 建設地 |
神奈川県 |
| 工法 |
木造枠組壁工法(2×6) |
| 延べ面積 |
145〜155㎡ |
| 階層 |
2階 |
| 契約時見積 |
該当データなし |
| 最終見積 |
該当データなし |