【エンジニアリングレポート】
調査結果まとめ
- 全体的に指摘事項は少なく、現場施工・管理とも良好な現場であった
- 施工店は、一般の指定工務店だったが、しっかりした現場で安心感が持てる現場であった
- 是正報告には大きな問題なし
- 是正は指摘後、修正され問題なく引渡しが遂行された
旭化成ホームズ、埼玉県S様邸の現場調査レポートです。品質管理、工程管理とも申し分なく、ほとんど問題がなく進んだ現場であった。現場監督、施工店とも意識が高いことが伝わり最近では指折りに入るほど優秀な施工チームだったと感じる。すべての現場でこのレベルを保ってほしいのは期待しすぎか・・。
基礎配筋検査レポート
施工条件も厳しくない一般的な現場状況。施工は良好で、指摘事項はなかった。写真は建物位置を決定する、「基礎地頭の配置寸法」を確認しているもの。
対角寸法も問題なし。鉄骨系のハウスメーカーは基礎精度がその後の建物躯体精度に直結すると言って過言ではない。この状況でいかに精度よく組んでいくことが大切かを知っている工務店だと「当たり」といっていいだろう。
基礎完成検査レポート
基礎完成での検査も特に指摘はなく、施工状況は極めて良好であった。写真はアンカーボルトの検査風景。
基礎業者は旭化成の中でも優秀なレベルであることが現場から十分に伝わる内容であった。
上棟検査レポート
柱の垂直精度などの躯体精度は良好であった。
出来上がった精度の良い基礎に公差の少ない鉄骨をくみ上げるので当然といえば当然か。
指摘としては「鉄骨の傷補修忘れ」が散見された。
レッカーで重たい材料を吊り上げて工事をするため、鉄骨同士が当たり傷付くことが多い。そのため、傷箇所には鉄骨の補修材を塗布することになる。これは錆止めが主な目的だ。
写真ではわからないが「×」印がついている箇所は、床のヘーベル版がガタついているものを指摘している。ヘーベルハウスでは、よくある指摘事例である。
防水検査レポート
ベランダ床はシート防水を採用している。重ね幅やシート同士の圧着を確認するが施工は良好であった。
壁の防水はヘーベル版の目地にシーリング材を施工する。こちらも指摘はなくおおむね良好であった。
外部工事は雨天影響を考えることが重要な要素だが、きちんと管理ができていて問題ない進捗状況であった。
断熱検査レポート
ネオマフォームを使用する断熱施工である。
ネオマフォームのジョイントに見えるピンクのテープは気密用のテープとなっている。
指摘箇所としては、UB換気扇の貫通部の処理が未実施であった。工務店によっては、電気業者が実施する場合とUB業者が施工する場合があるため、この現場では施工タイミングが至っていなかった。後日、写真報告での確認を実施した。
内部造作下地検査レポート
ヘーベルハウスの天井下地はLGSと呼ばれる軽鉄材で組み上げる仕様となる。材変形が少ないメリットはあるが、熱伝導の高い材料特性をもつ鋼材を使用するので、ヒートブリッジが少なからず発生する。
どんな工法、材料にもメリットとデメリットは存在する。依頼先選定時には、その両方を理解したうえで進めていってほしい。
指摘の多い床下地の施工も、標準仕様通りに施工されているのを確認した。
内部造作完了検査レポート
大工工事が完了した段階での検査。木工事が完了した段階なので、現場では「木完(もっかん)」とも呼ばれる。
壁の段差や不陸がないかを確認していく。サッシ(窓)枠を止めるビスの打ち忘れが指摘としては上がった。
内部造作完了検査は丁寧に施工され、大きな指摘はない。現在では多くのメーカーがカットボードといって「工場であらかじめ寸法加工された石膏ボード」が搬入される。大工は、現場での石膏ボード加工が少なくなるということだが、誤差が生じやすい(工場カットと現場の寸法が若干違うため)。この辺りは大工のモラルが直接影響してくる部分だろう。
足場解体前外装検査レポート
足場解体前の外装全般の検査を実施。屋根にも上り、不具合がないかを確認する。
全体的に仕上げ状況は良好であった。サッシ枠の養生(青いビニール)がはがし忘れている箇所がいくつか散見された。当然、高所での忘れは後々大変な作業になるので、最終確認は大切である。
【S様邸基本情報】
建設地 |
埼玉県 |
工法 |
軽量鉄骨造 |
延べ面積 |
105〜110㎡ |
階層 |
2階 |
契約時見積 |
3700〜3800万円 |
最終見積 |
3700〜3800万円 |